内容説明
フロイドの父性を中心においた精神分析理論に対し、母性すなわち母子間の愛の交流を基底にすえた理論体系をもって、フロイドの包括的批判を展開する本書は、神話・宗教などの社会学・文化人類学に関する豊かな学識を背景にして、人類における愛と憎しみの発生・構造を解明した名著の完訳である。
目次
愛と興味の生物学
愛、憎悪、興味の科学的概念
博愛主義・愛他主義・快楽主義
愛の心理学
愛の機能と表現
やさしさのタブー
抑圧と嫉妬
社会の起源と特質
宗教は病気か治療か
治療教団とその実際
精神病理学
心理療法
フロイド理論の病理性
愛による治療としての精神分析療法