内容説明
古来の山岳信仰と外来の仏教・道教や神道の習合によって形成された修験道。この日本独特の宗教は役行者を祖師と仰ぎ、それぞれの時代において理想的祖師像を創造した。役行者伝承の展開を通して、修験道の歴史を辿る。
目次
役行者の原型―プロローグ
役小角と役優婆塞
霊山の役行者伝承
修験道確立期の役行者伝
近世の教派修験と役行者伝承
役行者伝承の構造―エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
26
宗教学、修験道の研究者が役小角の百花繚乱の伝承を比較分析した本。役小角は「続日本書紀」で言及されて以来、「日本霊異記」の説話を経て、吉野の金峰山や熊野など修験道の始祖として神話化され各時代各宗派それぞれの役小角伝が生まれ、江戸時代には浄瑠璃や小説にもなった。本書の修験道の歴史は専門的過ぎて私の手に余ったが、役小角という最初は単なる呪術者だった歴史的人物が、最後には天武が皇位につくのを助けたり、修験道の教祖に祭り上げられたり、と歴代の作家や僧の想像力には恐れ入る。黒須さんの小説はこの伝統に立っているのか!!2014/06/14
たか丸
2
ようやく読了。犬・八人の童子・騎乗の聖性なんてモチーフは、わりとありふれていたことを実感しました。2012/01/29
かーんたや
1
事実を淡々と書いた本2019/10/22