内容説明
錦秋に開催される正倉院展は、古都奈良の風物詩として多くの人々を引付けてきた。人々を魅了する宝物を日本文化として正しく認識するために、正倉院と宝物の歴史を辿り、各時代の関心のあり方から歴史的意義を考える。
目次
日本文化の中の正倉院
正倉院宝物(正倉院宝物の特色;正倉院宝物のなりたち;正倉院宝物前史)
宝物の出入(宝物の出入と曝涼関係文書;宝物の出入―奈良時代末から平安時代初期の場合;宝物の出入―平安時代中期以降の場合)
宝物の点検(宝物の曝涼と点検―奈良時代末から平安時代初期;宝物の移納と点検―平安時代末から江戸時代)
宝物の拝観と修理(古代・中世の宝物拝観;近世・近代の宝物調査と利用)
感想・レビュー
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kei
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レポートのためにななめ読みするつもりが、勢い余ってfrom cover to coverで読んでしまった。正倉院宝物の成立が、光明皇后の寄進(?)のみから成り立っているわけではないこととか、成立後も曝涼や点検以外に宝物が度々取り出されていた(だけではなく使用されていた!)っていうのは初めて知って驚いた。恵美押勝の乱で武器類が相当数、出蔵したっていうのもびっくり。宝物としてしずしずと納められたというイメージからは想像しにくいし、それがきちんと記録されているっていうのもすごいな。2013/01/17