内容説明
柳田学とは何か。混迷する現代へのメッセージ。
目次
柳田国男と現代
柳田国男の生涯(官僚として;民俗学者として)
柳田国男の思想(柳田学と国民国家構想;日本人の倫理意識の形成;氏神信仰と近代天皇制)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまだてつひと
3
柳田國男の思想をわかりやすくまとめている。 氏神信仰というのが日本人の倫理意識の形成に影響を与えているという説は、知らなかったので勉強になった。『将来日本人の内面倫理をいかに形成していくかということが、今後のおおきな思想的課題のひとつになる。』という予想は今現在、かなり当てはまっているように思える。菊と刀で書かれている外面的な倫理を重視しているという話と、日本人の倫理意識も内面的な信仰にささえられているもの という話も面白かった2024/05/19
Shiki Magata-ma
1
記述が非常に平易でコンパクトであった。民俗学に大きく興味があった故、今まで柳田の原著を読もうと試みてきたが、幾度となくその思想の大海に沈んできた。この書の中で氏の著作の内どの群が特定の領域について研究したものであるのか、その概略が過不足なく記されており、またその思想に至るまでの簡単な過程、柳田の思想の全体像が目指すところなどがわかるようになっている。だからこの書がそんな大海原の海図と羅針盤になってくれるはずだ。2016/06/14