内容説明
「水戸黄門」で知られる2代水戸藩主。少年期には非行で家臣にまで不安を与えたが、18歳のとき『史記』伯夷伝を読み発奮、学問を志す。『大日本史』編纂をはじめ多くの文化事業を主宰する一方、徹底した寺社改革や蝦夷地探検も断行。文武兼備の武将たらんとの強固な意志を貫き通した起伏に富む生涯を活写。従来の光圀像を捉え直した本格的伝記。
目次
生い立ち
世子光圀の起伏
藩主光圀とその事蹟
徳川一門の長老
西山の隠士
晩年と終焉
附記三題
著者等紹介
鈴木暎一[スズキエイイチ]
1939年生まれ。1963年東京大学大学院人文科学研究科国史学専門課程修士課程修了。常磐大学教授、茨城大学名誉教授。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tomozuki Kibe
3
来年北関東を回るつもりなのでこれもその一環に。 小説「光圀伝」の内容が割と史実に典拠していることを知るすまん。 でもやっぱり脚色されていないほうが面白い。 不良少年(辻斬り含む)から史書から朱子学に目覚め、兄不孝に悩みながら朱子学に基づく「大日本史」編纂へ。尊儒排仏にはしった青年時代。朱舜水に傾倒し、藤原惺窩・林羅山を日本の聖人とあがめる。円熟につれて仏教の世俗化を抑えながらも神仏儒を共に尊ぶ姿勢に。だが学問への傾倒は藩財政を傾ける。生類憐みに抗したことが黄門伝説の始まりか。2022/12/19
ut_ken
1
時代劇の影響で過剰評価されたり、その反発で逆に貶められたりしがちな、水戸黄門 徳川光圀の史実的な姿について、よくまとめられている著作。内容はやや専門的。