内容説明
九州柳川藩の祖。大友宗麟配下の一武将から豊臣秀吉によって大名に取り立てられる。関ヶ原の敗戦で浪人となるが、徳川秀忠の下、再び大名として返り咲き、晩年家光に重要された。従来、軍記による武勇伝が流布してきたが、一次史料を駆使し生涯を描いた初の伝記。戦国大名島津氏らとの抗争、加藤清正や細川氏との交流なども浮き彫りにする。
目次
第1 二人の父
第2 大名取り立て
第3 文禄の役
第4 文禄四年検地と慶長の役
第5 関ヶ原合戦
第6 浪牢時代
第7 奥州時代
第8 再び筑後柳川へ
第9 再封後の宗茂
第10 「内儀」の隠居
第11 晩年
第12 行跡と家族・親族
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
25
文武ともに秀でているとともに、人格も優れていることが伝わりました。朝鮮の役の部分が特に興味深かったです。小説とは異なる面白さがありました。2023/06/15
立花朔夏
3
一番好きな武将でこの本も読みたいと思っていて、やっと読む事が出来た本。今まで知らなかった一次資料から読み取る立花宗茂の功績や人物像などを垣間見る事が出来た。立花宗茂について一次資料に即して書かれた専門書はあまりないので、刊行からしばらく経っているがとても有意義な本だと思う。参考文献や研究も立花宗茂研究の入門書として良い本なのではないかと思う。 個人的にはこの本を読む以前に柳川に行ったので、その時に見た史料などを思い浮かべながら読む事が出来て楽しかった。2018/02/07
MUNEKAZ
0
軍記物や逸話を極力排除し、立花宗茂を客観的に描こうとしているところに好感が持てる。浪人時代や棚倉藩主時代について詳しく触れてあるのも良い。「義」とか「武」を殊更に強調しなくても、同時代人の評価した宗茂の誠実さや魅力は十分に伝わってくる。