内容説明
鎖国下において西欧科学を伝え、幾多の俊英を輩出すると共に、広く日本を世界に紹介したシーボルトは、スパイ嫌疑で国外追放になるなど、多難の生涯であったが、わが国近代文の開明に果した役割は大きい。本書は蘭学史研究の権威が、世界史的視野に立って蘊蓄を傾け、新史料をおりまぜながら、その功業に史的意義を与えた正確な伝記である。
目次
日本渡来まで
オランダの政情
日本研究の使命
鳴滝塾の俊英
江戸参府
出島の生活
日本研究の成果
シーボルト事件
日本を去ってヨーロッパへ
ヨーロッパ学界の歓迎
日本研究の仕上げと出版
各方面の優遇
日本開国への画策と貢献
再び日本へ渡来
日本における活動
シーボルトの帰国
シーボルトの子孫と遺品
ヨーロッパにおけるシーボルトの子孫
日本におけるシーボルトの子孫
略年譜
シーボルト関係参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫丸
10
シーボルト事件露顕のきっかけについては本書刊行の後に新説が出て、それが定説化しているようす。おそらくシーボルト自身は隠匿の必要も感じておらず、学者連の間では周知であったろう。それをことさらに国禁であるッと言い立てた木端役人だか似非学者だかがいたのではないか。こういう小物はいつの世にもいるんだ。最近だと「地政学」というワードを多用する連中がそれに当たる。ただの犬のくせに大衆を教唆しようだなんて考えているのだ。2022/03/20
多読多量連投が日課だった
0
日本の娘と孫が悲惨なのに書いてい無い件。2017/06/09