内容説明
本シリーズは国家の視点ではなく、地域の視点から歴史全体を見直そうとする試みであり、「地域」の概念それ自体の再検討から出発するところに特色がある。地域は、東アジア、ヨーロッパ、などという形で、歴史を通して不変にあったのではなく、人々の営みや相互の交流によっていろいろにつくりかえられてきた。そのような地域の実態をさまざまな視点からとらえなおし、そこに現れた「地域」で世界史を読み解こうとするものである。
目次
1 拡大する地域(アラブ・イスラーム世界の拡大;東アジアにおける地域秩序形成の論理―朝貢・冊封体制の成立と変容;「白人の重荷」)
2 ネットワークの役割(シルクロード―異文化圏を結ぶ通商ネットワーク;交易圏としてのアフリカ;フランス港湾都市の商業ネットワーク)
3 統一文化の形成(「インド文化」は存在するのか;アメリカン・ウェイ・オブ・ライフ―その形成と多様化;無国籍文化の形成―コスモポリタニズムとディアスポラ)