内容説明
デンマーク・ノルウェー・スウェーデン・フィンランド・アイスランド。世界全域を網羅した新版世界各国史。
目次
序章 一つの世界としての「北欧」
第1章 北欧の先史時代
第2章 ヴァイキング時代
第3章 内乱と王権の成長
第4章 カルマル連合の時代
第5章 近代への序曲
第6章 ナショナリズムの時代
第7章 現代社会の成立に向けて
第8章 二つの世界大戦と北欧
第9章 現代世界のなかの北欧
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
17
13頁。地理的に北欧はヨーロッパ大陸から相対的に隔離されているが、18世紀以降、列強抗争における覇者の地位を滑り落ちた北欧に、次第にヨーロッパ大陸の紛争に対して局外中立の態度をとることで国内発展をはかることを保障したものこそ、この相対的な隔離という条件であった。北欧諸国は、近代列強の軍事的関心場となったバルカン半島とは対照的に、帝国主義時代の貿易の隆盛に乗じて工業発展を進め、第一次世界大戦に対しては中立を守ることによって、19世紀半ばの後発国的経済状態を脱して福祉国家へのひたすら歩むことができた。2022/07/01
青雲空
3
5カ国同時進行で書かれるとこんがらがる。難しい。2021/12/15
しゅうまい
1
北欧という大国とは言えずとも存在感を放つ国々について気になったので購入しました。やはり面白いもので、ノルウェーの成立過程は特に印象的でしたが、スウェーデンの資料が少ないというのが悲しい限りです。気になったのはフィンランドです。国として生まれ落ちたてからは常に他国の支配に晒されながらも、アイデンティティを確立し、ロシア帝国内での1つの地域としてでは無く国として自治が行われていて北欧としての一体感を保とうとしていたという話が、なかなか初めて聞いたものでとても記憶に残りました。2019/04/21
まさる
0
北欧は、比較的分権的なイメージが個人への手厚い福祉政策などから日本では受け入れられているが、それが中世近代を通じてさほど王権の集権化が進まなかったことが本書から推測できる。また、冷戦期と冷戦後におけるフィンランドとノルウェー、デンマーク、スウェーデンの3カ国の対応の違いについて本著で判りやすく説明されており、日本では比較的認知度の低い戦後の政治史の理解を深めることができる2014/05/15
おとみず
0
去年買って何度も読み返してますけれどいいですね。王家の家系図などの資料もなかなか充実していて読みごたえがありました。まだまだ読んで理解を深めなければ…2012/08/11