内容説明
国鉄在来線の創成期から今日まで。その真価と意義を時代と地域から見る。
目次
第1部 時代に見る国鉄在来線の栄枯盛衰(鉄道創成期から終戦まで;戦後から今日まで)
第2部 地域に見る国鉄在来線の栄枯盛衰(廻りゆく琵琶湖を廻る鉄道;伊那谷を廻る鉄道誘致の歴史;二転三転した鹿児島を廻る鉄道;天北を廻る天塩線四代の軌跡)
著者等紹介
山崎宏之[ヤマザキヒロユキ]
1957年、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後に大手鉄道会社勤務。2016年に退社。2019年より埼玉女子短期大学非常勤講師。趣味は鉄道とカメラ。未だにフィルムカメラで白黒写真を撮っている。鉄道写真歴は40年以上に及ぶが、ここ20年は、山岳用電気機関車であるEF64だけを追いかけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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六点
23
2011年に起きた台風大災害で長期間不通になり、廃止まで取り沙汰された路線沿いにぬこ田の本籍地は所在する。その沿線で育ったぬこ田父は、高校卒業後はとんと利用しなくなった。ぬこ田は「無くならんうちに乗ろう」と機会を設けて乗車した。なお、途中からぬこ田ともう一人しか客がいなかった。それはさておき、幼い父にとっては「この線路は東京や大阪にも続いている」日本国そのものとの紐帯だったのだろう。政治に翻弄され、社会の変動の影響を受け続けた日本の鉄道路線の栄枯盛衰を見るには良いのだが…軍事と鉄道双方の専門家は払底なのね2019/11/25
犬養三千代
8
明治から今までの鉄道の解説。イケイケどんどんと作った時代。軍部の考察は地政学的に真っ当だと思った。廃線が続くのは寂しい。乗る人たちが減ったのは、東京一極集中や都市集中だけが原因とも思えない。2021/01/08
onepei
3
焦点が絞り切れていない感じ2019/10/22
だまし売りNo
2
本書は採算性から赤字ローカル線を廃止する近時の傾向に疑問を投げかける。「当初から収益性を度外視して建設した鉄道路線を、赤字を理由に廃止するというのは、国として、政策の一貫性を問われるのではないでしょうか」(15頁)。 私はむしろ一貫性がない点を政策転換として評価したい。明治の富国強兵も戦後の高度経済成長も官僚主導の国家資本主義で一貫していた。それを市場重視の本来の自由主義市場経済に転換する動きの一環だろう。2020/06/27