出版社内容情報
帝国主義的世界の一端をひもとく。
内容説明
100年ほど前の帝国主義の時代にあって、イギリス帝国のドミニオンとして誕生した南アフリカ連邦の形成過程を読み解くところから、現代南アフリカの歴史的淵源を、ひいては20世紀史を貫く植民地主義をめぐる問題を、歴史学の立場から論じてみたのが本書である。重層的に絡み合ったイギリス帝国支配を歴史の横軸として、そして少数白人支配体制の生成を縦軸として展開した南ア連邦形成の物語をたどるなかで、「植民地国家」南アフリカが経験した帝国主義的世界の一端をひもといていく。
目次
序章 帝国主義の時代と南アフリカ
第1章 南アフリカ戦争と帝国主義的世界―南アフリカをめぐる強国の論理
第2章 南アフリカ連邦の形成―「アングロ対ブール」から「コロニアル・ナショナリズム」へ
第3章 「原住民」と「カラード」―南アフリカ戦争後の非白人住民の位置
第4章 「白い南アフリカ」―イギリス「原住民政策」と白人支配体制の生成
第5章 アフリカ民族会議ANCへの道―南アフリカにおけるアフリカ人政治運動一八八〇~一九一二年
終章 南アフリカ連邦成立の歴史的意義
著者等紹介
前川一郎[マエカワイチロウ]
1969年東京都立川市生まれ。1992年創価大学文学部人文学科卒業。1998年バーミンガム大学大学院文学部歴史学科M.Phil.(in History)課程修了。2002年創価大学大学院文学研究科人文学専攻博士後期課程単位取得退学。博士(人文学)。2002年日本学術振興会特別研究員。創価大学・埼玉大学・聖心女子大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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