出版社内容情報
批評の始まりとは、文学の位置とは?
内容説明
批評とは、単に作品の優劣を示すためのものではない。むしろ、作品を単純に序列化できる公準などないと観念したところから開始されるものである。作品と読み手との具体的出会いの現場から、文学の位置を問う。
目次
第1章 文学の位置―森鴎外試論(文学の位置;『半日』から『舞姫』へ ほか)
第2章 堕落そして天国への道―梶井基次郎における散文の成立(詩か散文か;堕落あるいは他者との出会い ほか)
第3章 暗い夜を越えて―非小説『或る朝』から非私小説『暗夜行路』へ(小説の無意識;或る朝、この朝 ほか)
第4章 中心の不在あるいは殉死者芥川(大正と芥川;乃木の殉死をめぐって ほか)
第5章 クリニック・クリティック(サンタクロースの存在論;敷居的なるものあるいはイニシエーションの不在 ほか)
著者等紹介
千葉一幹[チバカズミキ]
1961年三重県生まれ。1984年東京大学文学部卒業。1991年東京大学大学院総合文化研究科単位取得。現在、東北芸術工科大学助教授(比較文化・日本近代文学)。1997年「文学の位置―森鴎外試論」で第41回群像新人賞(評論部門)受賞
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