出版社内容情報
【内容】
社会主義を圧倒し、冷戦を終結させた資本主義は、いまや人類社会の基盤そのものを脅かしつつある。そもそも資本主義の発展は、経済の領域のみならず、政治や社会をも巻き込む「大転換」と呼ぶにふさわしい変化をもたらしてきた。
好評を博した前著『国家と文明システム』において論じた構想を実証するため、本書は比較史的方法を駆使することによって近代市場社会成立の背景を分析し、市場原理主義や新古典派経済学が孕む、今日の問題状況を解明する新たな視座を提示する。
【目次】
序 章 現代史の曲り角
第1章 若干の予備的考察
第2章 ヨーロッパの興隆
1 ヨーロッパの後進性
2 興隆の萌芽
第3章 マックス・ウェーバーから従属理論へ
1 資本主義起源論争
2 従属理論
第4章 従属理論の批判的検討1――「周辺」の場合
1 インド
2 中国
3 植民地支配と従属理論
第5章 従属理論の批判的検討2――「中心」の場合
1 インドの掠奪とイギリス産業革命
2 「周辺」地域の貢献
3 「周辺」地域の破滅的な影響――スペインの場合
第6章 比較史の中の産業革命
1 イギリス
2 フランス
3 英仏両国の比較
第7章 近代国家建設をめぐる政治と経済
1 フランス
2 重商主義
3 社会史的背景
4 大陸国家と海洋国家
第8章 国家と経済発展
1 中世的秩序から近代的秩序へ
2 近代国家と帝国
3 規律化とその意味
4 資本主義の二つのタイプ
第9章 帝国と経済体制――中国
1 帝国の自足性
2 殖産興業政策の挫折
3 帝国の政治的メカニズム
4 改革・開放政策
第10章 後発国と工業化――日本
1 先発国と後発国
2 殖産興業政策
3 その社会史的背景
4 比較史の中の日本的システム
第11章 植民地と帝国――インドとイギリス
1 植民地下における工業化
2 帝国の負の遺産
3 歴史の罠
第12章 グローバル下における国家と経済
1 開発の政治経済学
2 新古典派戦略の問題点
3 政治文化をめぐる問題
4 展望
補 論 近代世界システムと国家――ドイツの場合
1 近代世界システム論
2 近代世界システムと中・東欧
3 「周辺」地域としての中・東欧
4 その政治社会的背景
5 帝国支配の遺産
あとがき
人名・事項索引
内容説明
社会主義を圧倒し、冷戦を終結させた資本主義は、いまや人類社会の基盤そのものを脅かしつつある。そもそも資本主義の発展は、経済の領域のみならず、政治や社会をも巻き込む「大転換」と呼ぶにふさわしい変化をもたらしてきた。好評を博した前著『国家と文明システム』において論じた構想を実証するため、本書は比較史的方法を駆使することによって近代市場社会成立の背景を分析し、市場原理主義や新古典派経済学が孕む、今日の問題状況を解明する新たな視座を提示する。
目次
現代史の曲り角
若干の予備的考察
ヨーロッパの興隆
マックス・ウェーバーから従属理論へ
従属理論の批判的検討(「周辺」の場合;「中心」の場合)
比較史の中の産業革命
近代国家建設をめぐる政治と経済
国家と経済発展
帝国と経済体制―中国
後発国と工業化―日本
植民地と帝国―インドとイギリス
グローバル下における国家と経済
近代世界システムと国家―ドイツの場合
著者等紹介
木村雅昭[キムラマサアキ]
1942年生まれ。京都大学法学部卒業。京都大学大学院を経て現在、京都大学法学研究科教授(比較政治学専攻)
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