出版社内容情報
【内容】
第一次世界大戦(1914~1918年)は史上初の総力戦となり、ドイツの民衆は生活難にあえいだ。とりわけ食糧難は耐え難く、そのため暴動やストライキ、やがて大規模な反戦ストが起こる。敗戦に続く革命の時代に、労働者や兵士はさまざまな要求を掲げて行動した。このような大戦・革命期の民衆の運動のなかで、最も激しい形態をとったものを「ラディカリズム」という概念でまとめた。
それにはいくつかのタイプがあるが、本書では「中部ドイツ」の二つの事例を追う。第一は社会主義運動の伝統がある、小公国ブラウンシュヴァイクの首都の反戦運動と革命である。もう一つは、ザクセン邦南西部フォークトラントで、繊維労働者の大量失業を背景に、マクス・ヘルツという人物に率いられた抗議行動や武装蜂起である。このマクス・ヘルトが行った「ロビン・フッド的行為」は何を意味するのだろうか。
【目次】
まえがき
序 章 第一次世界大戦期ドイツの「大衆運動」の性格
――研究史の省察
1 ドイツ革命研究における大衆運動の「発見」
2 ラディカリズムの二形態
第1章 大戦による社会の変容
1 全般的状況
2 中部ドイツにおける「大衆労働者」の急増
――ガイゼルタール褐炭鉱とロイナ工場
第2章 ブラウンシュヴァイクの反戦運動と革命
――1916~19年
1 ドイツ革命期の青年
――1973年8月のインタビューを中心に
2 旧ハンザ都市の労働者
3 大戦下の民衆
4 革命
第3章 マクス・ヘルツと中部ドイツの民衆
――ロビン・フッド的行動者の軌跡1919~21年
1 もうひとつの出会い
2 エルベ河畔の農業労働者の生活
3 ザクセン・フォークトラントの失業者
4 中部ドイツ工業地帯の労働者
――マンスフェルト地方を中心に
終 章 二つのラディカリズムの意味と行方
あとがき/巻末別表/巻末地図/引用文献一覧/注
内容説明
第一次世界大戦(1914~1918年)は史上初の総力戦となり、ドイツの民衆は生活難にあえいだ。とりわけ食糧難は耐え難く、そのため暴動やストライキ、やがて大規模な反戦ストが起こる。敗戦に続く革命の時代に、労働者や兵士はさまざま要求を掲げて行動した。このような大戦・革命期の民衆の運動のなかで、最も激しい形態をとったものを「ラディカリズム」という概念でまとめるのが本書。それにはいくつかのタイプがあるが、本書では「中部ドイツ」の二つの事例を追う。第一は社会主義運動の伝統がある、小公国ブラウンシュヴァイクの首都の反戦運動と革命である。もう一つはザクセン邦南西部フォークトラントで、繊維労働者の大量失業を背景に、マクス・ヘルツという人物に率いられた抗議行動や武装蜂起である。
目次
序章 第一次世界大戦期ドイツの「大衆運動」の性格―研究史の省察
第1章 大戦による社会の変容
第2章 ブラウンシュヴァイクの反戦運動と革命―一九一六~一九年
第3章 マクス・ヘルツと中部ドイツの民衆―ロビン・フッド的行動者の軌跡一九一九~二一年
終章 二つのラディカリズムの意味と行方
著者等紹介
垂水節子[タルミセツコ]
1940年東京都生まれ。1963年お茶の水女子大学文教育学部卒業。1971年ドイツ連邦共和国マンハイム大学留学(~74年)。1977年早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位修得退学。1990年ベルリン工科大学客員研究員(鳴門教育大学助教授として文部省在外研究)。現在、愛知県立大学外国語学部教授
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