みすずライブラリー
日本のルィセンコ論争

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  • サイズ B6判/ページ数 292p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784622050124
  • NDC分類 467.1
  • Cコード C1340

出版社内容情報

ルィセンコ事件とは何か? 政治と学問の関係を軸に戦後日本の科学思想史をたどる先駆的労作。

内容説明

戦後日本の生物学界に「ルィセンコ論争」と呼ばれる事件があった。1928年に始まるソ連農業の社会主義化・集団化以後、スターリンのお墨付きのもとにメンデルの近代遺伝学を否定し、獲得形質の遺伝を唱えたルィセンコの学説が、民主化を求める戦後日本の一部に熱狂的な支持を集めるところとなり、激しい論争を引き起こしたのである。本書は、ソ連における遺伝学論争が戦後日本の生物学・思想界にもたらした影響と、それにともなう深いイデオロギー対立の全貌を明らかにし、それを分析・批判した一種の「白書」であり、政治と学問の関係を問うた労作である。

目次

第1章 前史
第2章 最初の衝突
第3章 政治の季節
第4章 進化論をめぐって
第5章 ヤロビの村で
第6章 斜陽に立つ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takao

1
ふむ2021/03/14

りゃーん

1
呉智英「二百万年間に亙って、人間は処女膜を破り続けてきたのだ。だが、処女膜を破られた母親の形質が遺伝して、処女膜のない女の子が生まれた例があるか。オーストラロピテカス以来二百万年間、ざっと六万世代に及ぶ人類の歴史が、獲得形質は遺伝しないことを証明している」。だがソ連からの報告で戦後、獲得形質が遺伝するとプロの学者がマジに信じた。読むと素人の私でも、系統進化と個体進化、メンデル的遺伝学とダーウィン的進化論を混同さす箇所が散見する。実験は正しくてもオチを想定しているから理論化の時点でオカルトが混じるのである。2017/07/02

霹靂火 雷公

0
『ここはボツコニアン』の登場人物の元ネタが気になったので通読。何の気なしに読み始めたが、昨今のEM菌や江戸しぐさといった国営オカルト事業や、震災後の「御用学者」呼ばわりにも通じる「仮説に政治的権力を持たせるとどうなるか?」という今考えるべき問題が詰まった一冊だった。レッテル貼りや誹謗中傷ではなく、研究と議論で研鑽してゆきましょう。(自戒含む)2016/05/16

bokassa_1er

0
科学より思想を優先させたらどうなるかがものすごくよくわかる本。おすすめ。2013/06/25

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