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外山滋比古著作集〈7〉シェイクスピア考

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  • サイズ B6判/ページ数 348p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622048572
  • NDC分類 081.6
  • Cコード C1395

出版社内容情報

いかにしてシェイクスピアは、今なお読まれかつ上演される古典作家になったのか? ベン・ジョンソンはじめ、当時の人気作家に親しむ人は今はもうほとんどいない。また、彼の劇作品にはどうして戸外の場面が多いのか? さらにまた彼の作品には、なぜ年上のしっかりした女性がたくさん出てくるのか?

「シェイクスピアの作品はもともと舞台上演用台本であった。それが十八世紀になると、読者のためのテクストへと性格を変える。それが作品自体の意味を変えることになる……十八世紀に新しくつけられたト書きによって、シェイクスピアは、音楽的、立体的演劇から絵画的戯曲に変貌していったことがわかる。この変動は後世、つまり読者によってもたらされた点が重要である」(著作ノート)。

本巻は、シェイクスピア作品のト書きやエメンデイション(本文修正)の精査によって、読者の受容史を追求した論考を中心に、英文学をめぐる諸エッセーを精選・収録した。

外山滋比古著作集 全8巻-第6回配本

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外山滋比古(とやま・しげひこ)
1923年愛知県に生まれる。1947年東京文理科大学英文科卒業。同大学特別研究生修了。1951年「英語青年」編集長。ついで「英語文学世界」「月刊ことば」を創刊、編集。その間、1956年東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授。1962年、文学博士。1989年お茶の水女子大学名誉教授、昭和女子大学教授。1999年同大学退職。『修辞的残像』『近代読者論』により文学における読者論の方法を提唱、『シェイクスピアと近代』でその実践をしめす。さらに、否定的に扱われてきた異本の意義に着目、その積極的機能を考察、『異本論』から『古典論』へと展開。これとは別に、日本について『日本語の論理』、俳句にかんして『省略の文学』『俳句的』などを発表。同時に折にふれてエッセイを書いた。

内容説明

いかにしてシェイクスピアは古典作家となったのか?ト書きやエメンデイションから作品受容史を探った刺戟的論考に、英語と英文学をめぐる諸エッセイを精選。

目次

1 シェイクスピアの世界(シェイクスピアの世界―聴覚的と視覚的;シェイクスピアと近代的視点 ほか)
2 異本シェイクスピア(シェイクスピアのト書き;シェイクスピアのエメンデイション ほか)
3 外国語と思考(ホレーショーの哲学;アイランド・フォーム ほか)
4 英語の発想(▽と△;頭と尻 ほか)

著者等紹介

外山滋比古[トヤマシゲヒコ]
1923年愛知県に生まれる。47年東京文理科大学英文科卒業。同大学特別研究生修了。51年雑誌「英語青年」編集長。ついで「英語文学世界」「月刊ことば」を創刊、編集。その間、56年東京教育大学助教授、68年お茶の水女子大学教授。89年同大学名誉教授。同じく昭和女子大学教授。99年同大学退職。62年文学博士
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感想・レビュー

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MaRuTaTSu

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シェイクスピアと近代的視点 「文学における近代的視点とは無縁であったと思われるシェイクスピアにそれを導入して、絵画的性格をつよめ、芸能であったものを近代芸術と考える、というのはまさしく異本化である。十八世紀の編纂者たちが行なった本文修正が作者の意図をふみにじる暴挙として批判されるのなら、視点の導入によってパースペクティヴ化するのも、それと差はあっても同じく誤解と言うべきである。はっきりした形をとらないために、異本的解釈であることが反省されないでいるだけのことである。→2020/02/20

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