ファン・ゴッホの手紙

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  • サイズ A5判/ページ数 405,/高さ 23cm
  • 商品コード 9784622044260
  • NDC分類 723.359
  • Cコード C1070

出版社内容情報

ファン・ゴッホの没後100年を記念して、全4巻からなる新しいオランダ語版の書簡全集か1990年に刊行された。これまでに刊行されてきたファン・ゴッホの書簡集は一部に削除、省略、伏せ字などがあったが、近年それらが開示され、原文の綿密な解読作業による修正もなされてきている。この日本語版の一巻本選集は、この面目を一新した書簡全集の全貌を簡潔なかたちで日本の読者に示そうとして編者が新たに編んだものである。また、アルルでの共同生活前後のゴーガンの手紙もこの選集のなかに組み込まれている。

「これまで〈神話化〉されてきたファン・ゴッホの伝記を修正する研究が近年発表されている。父親がフィンセントを精神病院へ入れようとした〈ヘール事件〉その他、これまで伏せられてきた文章は公刊されてこの選集にも入れられている……売れない画家の兄は弟に依存したが、弟は兄の仕事を共同で進めるという一体感に傾く――あつれきと感謝、不満と感動を縒り合わせる絆の物語がこの書簡集である。これほど自分の気持をさらけだす文章はめったにない。セザンヌもゴーガンも自然と都市文明の落差を敏感に意識したことでファン・ゴッホと共通するだろうが、日々の仕事、自然から受ける感動、女性や貧しく、恵まれぬ人びとやすぐれた人物の仕事への敬意などを長文で語る日録さながらのフィンセントの書簡集はドキュメントとして、また記録文学として抜群の価値をもっていると思う。また彼か浮世絵に強い関心を抱いたことだけでなく、一茎の草から宇宙に及ぶ自然への没入が日本の芸術家に見られるとして、その賢者を理想と考える面でも日本の読者はフィンセントになお深い親近感を覚えるのではなかろうか」。(編者あとがき)

ゴッホの日記ほど永遠に読者を魅きつける文章は存在しないだろう。生きる意味と絵画への専心。これまでの削除・省略・伏せ字を開示し、画家の全貌を示すべく二見史郎氏により新たに編集された新訳・決定版。

二見史郎(ふたみ・しろう)
1928年神奈川県に生まれる。1951年東京大学文学部卒業。現在 愛知県立芸術大学名誉教授,日本大学芸術学部非常動誌師.著書『プラック』(みすず書房,1963)、『抽象の形成』(紀伊國屋書店,1970)。訳書 ハーバート・リード『近代彫刻史』(紀伊國屋書店,1965)、『ファン・ゴッホ善簡全集』(共訳,みすず書房,1963)、ジョブレー・ビビー『未知の古代文明ディルムン』(共訳、平凡社,1975)、『マティス 画家のノート』(みすず書房、1978)、『アルルのファン・ゴッホ』(みすず書房,1986)、『ファン・ゴッホとミレー』(共訳,みすず書房,1994)ほか。

圀府寺司(こうでら・つかさ)
1957年大阪府に生まれる。1979年大阪大学文学部卒棄後,同大学院に進学し,アムステルダム大学美術史研究所に留学(1981‐88年),文学博士号を取得.オランダ、エラスムス財団よりエラスムス研究賞受賞。現在大阪大学大学院文学研究科・文学部教授。著書 Vincint van Gogh: Christianity versus Nature, Amsterdam-Philadelphia (John Benjamins), 1990. The Mythology of Vincent van Gogh, Tokyo-Amsterdam-Philadeophia, 1992. 『北方ヨーロッパの美術』(共編著、岩波書店、1994)、『西洋美術館』(共編著、小学館、1999)ほか。

内容説明

ゴッホの手紙ほど永遠に読者を魅きつける文章は存在しないだろう。生きる意味と絵画への専心。これまでの削除・省略・伏せ字を開示し、画家の全貌を示すべく新たに編集された新訳・決定版。

目次

ハーグ1872年8月‐1873年5月
ロンドン1873年6月‐1875年5月
パリ1875年五月‐1876年3月
ラムズゲイトとアイルワース1876年4月‐12月
ドルドレヒト1877年1月‐4月
アムステルダム1877年5月‐1878年7月
ブリュッセルとボリナージュ1878年7月‐1881年4月
エッテン1881年4月‐12月
ハーグ1881年12月‐1883年9月
ドレンテ1883年9月‐11月〔ほか〕

著者等紹介

二見史郎[フタミシロウ]
1928年神奈川県に生れる。1951年東京大学文学部卒業。現在愛知県立芸術大学名誉教授、日本大学芸術学部非常勤講師

圀府寺司[コウデラツカサ]
1957年大阪府に生れる。1979年大阪大学文学部卒業後、同大学院に進学し、アムステルダム大学美術史研究所に留学(1981‐88年)、文学博士号を取得。オランダ、エラスムス財団よりエラスムス研究賞受賞。現在大阪大学大学院文学研究科・文学部教授
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感想・レビュー

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Hiroaki Yamamoto

2
僕は自然をこうやって食べるんだ。狂気。人は自分自身の中の怪物と出会うために読書をする。2017/01/03

breathnoir

1
小林秀雄のと併せて読むととてもいい。2009/07/10

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