出版社内容情報
阪神大震災とは、この国のシステムが崩壊する現場でもあった。災害の真姿を記した画期的長編。
「西欧との接触後も、内発的な〈記録〉への離脱の契機を持ち得なかったこの国では、阪神大震災という未曾有の災厄ですら、過去の遠景へと霞みつつあるかに見える。制御可能な災厄という幻想にくるまり、〈酒のさかなに〉記憶を語りつぐだけなのだとしたら、私たちの文化から、阪神大震災の体験そのものが失われることは、ほぼ確実だろう。その時災害は、忘れた頃にやって来るのではなく、私たちが忘れたがゆえに、やって来るのである」
1995年1月17日の阪神大震災当日以来、現地を中心に取材を重ねてきた著者は、この災害の真実を記録に残すために、長期にわたって雑誌「みすず」に連載を続けてきた。日本の地震学の成立から書きはじめられた上巻につづき、この下巻で、その成果の全貌は明らかになる。ボランティア問題、災害への対応と都市問題、人の安全保障…
阪神大震災をめぐるこの国の現状を包括的に扱った唯一の文献といってよい本書の末尾で、著者は再度、現場に立ち帰ることを訴えている。「98年3月26日夜、神戸市中央区のポートアイランド第七仮設住宅で、独り暮らしの67歳の男性が死亡しているのが見つかった。誰に看取られることなく仮設で亡くなる〈孤独死〉は、阪神大震災以来、200人目を数えた」
阪神大震災とは、この国のシステムが崩壊する現場でもあった。全2巻
内容説明
阪神大震災とは、この国のシステムが崩壊する現場でもあった。日本の地震学の成立からボランティア、人の安全保障まで、災害の真実の形姿をここに記録する。
目次
第6章 避難と救援
第7章 復興への道
第8章 人の安全保障
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モリータ