出版社内容情報
幕末志士達の <横議> <横行> に新国家の核となる思想的契機を見出し、その可能性を探る試み。
内容説明
本書は、表題作をはじめ、1959年から66年の間に近代日本思想史のいくつかの局面を主たる対象として著者が執筆した論文・エッセイによって、新たに構成された。ここでは、「維新の精神」の発見や「大正デモクラシー」の批判、「ユートピア思想」への問い直しを通して、「戦後」と「安保」をめぐる経験が、異なった文化間の比較と歴史的遡及による広大な視野の中で再検討され、さまざまな「普遍」への通路を開くものが模索され、語られるであろう。
目次
維新の精神
維新における福沢の選択
愛山における歴史認識論と「布衣」イズムとの内面的連関―『山路愛山史論集』を読んで
大正デモクラシー精神の一側面―近代日本思想史における普遍者の形成とその崩壊
体制の構想―日本におけるその歴史的展開を叙べるに先立つ序章