ダチョウのパラドックス 災害リスクの心理学

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  • サイズ B6判/ページ数 192p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784621303306
  • NDC分類 369.3
  • Cコード C3011

出版社内容情報

私達が判断を誤る六つの心理的バイアスとその意思決定のプロセスへの影響を紹介し、解決へのアプローチを心理学的な観点からまとめた私たちはなぜ、繰り返し災害リスクを見誤り、結果的に準備を怠り、再び災害をうけてしまうのでしょうか。どうすれば、災害リスクに対応することができるようになるのでしょうか。
本書は、私たちが判断を誤る六つの心理的バイアス ― 近視眼的思考癖・忘却癖・楽観癖・惰性癖・単純化癖・同調癖 ― と、その意思決定のプロセスへの影響を豊富な具体例とともに紹介し、これらのバイアスを見込んだ解決へのアプローチを、心理学的な観点から簡潔にまとめています。
「危険に直面すると砂の中に頭を突っ込んでしまう」「頭隠して尻隠さず」などと英語では表現されてしまう飛べないダチョウは、実は、飛べない欠点を克服して、世界で最も速い逃げ足を武器にした危機管理能力の高い動物です。私たちも、本書を武器に、心理的バイアス=欠点を克服し、次こそは災害から逃れられるように、との意味がタイトルに込められています。

はじめに
PART 1  なぜ我々は災害に対して不十分にしか備えないのか
 第1章 二つの認識システムについての物語
 第2章 近視眼的思考癖
 第3章 忘却癖
 第4章 楽観癖
 第5章 惰性癖
 第6章 単純化癖
 第7章 群衆への同調癖
PART 2  災害準備を改善するために我々ができること
 第8章 バイアスの克服:行動リスク監査
 第9章 行動リスク監査の運用:洪水保険の場合
 第10章  きわめて長期にわたる災害対策
あとがき:?改訂版?ダチョウのパラドックス

Robert Meyer[ロバートマイヤー]
原著

Howard Kunreuther[ハワードクンルーザー]
原著

中谷内 一也[ナカヤチカズヤ]
翻訳

内容説明

私たちはなぜ、繰り返し災害リスクを見誤り、結果的に準備を怠り、再び被害をうけてしまうのでしょうか。どうすれば、災害リスクに対応することができるようになるのでしょうか。本書は、私たちが判断を誤る六つの心理的バイアスと意思決定のプロセスへの影響を、豊富な具体例とともに紹介し、解決へのアプローチ―心理的バイアスを見込んだうえで災害対策戦略を練るための方法―を、心理学的な観点から簡潔にまとめています。リスクへ備えるための必読の書。

目次

1 なぜ我々は災害に対して不十分にしか備えないのか(二つの認識システムについての物語;近視眼的思考癖;忘却癖;楽観癖;惰性癖;単純化癖;群衆への同調癖)
2 災害準備を改善するために我々ができること(バイアスの克服:行動リスク監査;行動リスク監査の運用:洪水保険の場合;きわめて長期にわたる災害対策)

著者等紹介

マイヤー,ロバート[マイヤー,ロバート] [Meyer,Robert]
Frederick H.Ecker/MetLife保険マーケティング学教授、Whartonリスクマネジメントおよび意思決定プロセスセンター共同ディレクター。幅広い分野の専門誌や書籍で活動している

クンルーザー,ハワード[クンルーザー,ハワード] [Kunreuther,Howard]
James G.Dinan意思決定科学および公共政策学教授、Whartonリスクマネジメントおよび意思決定プロセスセンター共同ディレクター。最近の著書に、2011年、米国保険協会のKulp‐Wright Book Awardを受賞した“At War with the Weather”(共著)などがある

中谷内一也[ナカヤチカズヤ]
同志社大学心理学部教授。博士(心理学)。専門はリスク認知、災害心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kentaro

4
ダチョウは飛べないために身を守る方法が限られる。危険に直面すると頭を砂に突っ込んでやりすごそうとする。しかし、飛べないという欠点を克服して猛スピードで逃げ去ることができるようになった、極めて俊敏な逃げの達人だ。ダチョウが飛べないという肉体的な限界を織り込んで上手く行動を適応させてきたように、我々がリスクに対応しようとする時には、人間に本来的に染みついている認知の限界を織り込んで災害対策を計画する必要がある。科学や技術の発展によって平均的な死者数は減ってきているものの、恐るべき大惨事は依然として続いている。2018/10/11

アルミの鉄鍋

3
★3 システム1とシステム2について事例を混じえながら説明。これを読むと人間は学ぶ事が出来るなか出来ないのかわからない生物だなと思った。体験したり傷が出来ないと災害やテロに対する構えは中々出来ない。2021/09/23

新橋九段

3
災害とバイアスがよくまとめられていてわかりやすい。じゃあどうすればいいのかというところまで提言があるのは珍しいのでは。2020/04/02

K

3
読んだからといって実際何もしないんだけど…。緊急時対策、何か一つでもやってみるかな。2019/03/15

K

1
災害の被害を増幅する要因として、近視眼的思考・忘却・楽観・惰性・単純化・同調、という人間の癖による心理的バイアスが存在するという本。災害対策のコストは実際に起こらないとそのありがたみがわからず、負担は忌避されがちである、自分は大丈夫と思いたがる、行動や意思決定が周囲の動向に左右されてしまう…等々、耳が痛くなるような指摘が数々あった。そして確率の話が興味深くも、おそろしくもあった…2019/04/17

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