内容説明
喜怒哀楽をストレートに表現する中国映画、ハメを外さず、何事もほどほどにまとめる台湾映画、娯楽に徹した香港映画。それぞれ個性豊かな作品を創り出しているが、そこには時代の流れを敏感に反映させ、その時々の社会問題を貧欲に取りこんでゆこうとする共通点がある。新聞社の特派員として約10年を香港で過ごし、中国・台湾・香港映画に魅せられた著者が、映画好きの論客を迎え、映画を通じてこれら3地域の、深く歴史に根差した問題に言及する対談集。
目次
序章 香港は僕の映画館
第1章 「芙蓉鎮」と文化大革命
第2章 「紅いコーリャン」と第5世代の監督たち
第3章 王朔映画の痞子たち
第4章 台湾語でよみがえった台湾映画
第5章 「悲情城市」と2・28事件
第6章 香港映画のシリアスな隠し味
第7章 「風の輝く朝に」と香港の1997年問題