内容説明
その心洗われる空間では、光が空間そのものとなっている。壁面をすき間なく覆っている見事なまでのモザイクやフレスコは光と一体化し、私たちの目を喜ばせ、全身を揺さぶり、そして包み込む。「構築体が光を受け、その光が空間を作り出す」（ルイス・カーン）という建築の本質が、まさにここにある。本書では、初期キリスト教建築に、すべての建築の生成の神秘につながる根源的な力を感じ、尽きない興味を惹かれる著者が、４世紀から６世紀にかけて建てられたイタリアの聖堂を巡り、静寂であり、かつ情熱に満ちたこの神秘的な空間の魅力を探る。
目次
サンタ・コンスタンツァ（ローマ）
サンタ・サビーナ（ローマ）
ラテラノ洗礼堂（ローマ）
サント・ステファノ・ロトンド（ローマ）
サンタ・マリア・マッジョーレ（ローマ）
サンタ・マリア・イン・トランステヴェレ（ローマ）
サン・クレメンテ（ローマ）
サンタ・マリア・イン・コスメディン（ローマ）
サン・パウロ・フォリ・レ・ムーラ（ローマ）
サン・ロレンツォ・マッジョーレ（ミラノ）〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
346
ラヴェンナにいくつかの初期キリスト教会が残存することは（世界遺産にも登録されている）知っていたし、そのために足を運びもした。その一方でローマにもこれほど多数の初期キリスト教会があったとは知らなかった。サンタ・マリア・イン・コスメディン教会に行きながら「真実の口」に手を入れて満足していた（そこが相当に古い時代のものとは知ってはいたが）くらいだから、もう無知も極まれりといったところ。さて、これらの初期教会に共通するのは、簡素な石造りの円形（多角形のものも）ドームを有していることである。後には⇒ 2022/01/22
ユーディット
3
短い解説だが、一般的に言われていることと違った研究成果が語られている。2011/05/04
