教室の悪魔―見えない「いじめ」を解決するために

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  • サイズ B6判/ページ数 138p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784591095942
  • NDC分類 371.45
  • Cコード C0037

内容説明

「Iの母親は主婦売春しています」と画像つきでばらまかれる嘘メール「汚い」と言われ続けて毎日必死に身体を洗う子どもの自己臭恐怖「退屈だから」といじめをエスカレートさせていく集団ヒステリー…子どもの世界で、いったい何が起こっているのか?地獄の心理ゲームと化した「いじめ」の正体を示しいま、大人がなすべきことを具体的に、ズバリ提示する。

目次

第1章 「いじめ」は解決できる―雄二君(仮名)の相談事例から
第2章 大人に見えない残酷な「いじめ」(メールで噂話をばらまく―「エンコーしてる」と噂を流されたSちゃん;本人ではなく、家族を中傷する―家族の偽写真をメールで流されたIちゃん;いじめの「ON」と「OFF」を使いわける―「今日は、例のあの日」を繰り返されたK君;共犯関係を演出し金銭要求する―「一緒に遊ぶ金だろ?」とお金を要求され続けたT君;女の子同士で徹底して恥をかかせる―下着を貼り出されたYちゃん;「汚い」「醜い」というイメージを植えつける―毎日給食を食べられなかったR君;発覚しない小さな暴力を繰り返す―コンパスで背中を刺され続けたO君;完全否定の「なんで?」を繰り返す―「なんで生きてるの?」と言い続けられたTちゃん;奴隷にしてしまう―万引きから援助交際まで、命令され続けたIちゃん)
第3章 なぜクラス全員が加害者になるのか?
第4章 「いじめ」を解決するための実践ルール―親にできること、すべきこと、絶対してはならないこと
第5章 「いじめ」に気づくチェックリスト

著者等紹介

山脇由貴子[ヤマワキユキコ]
1969年東京生まれ。横浜市立大学心理学専攻卒。現在、東京都児童相談センター・心理司。年間100家族以上の相談や治療を受け持つ。ストリートチルドレンの急増するベトナム政府から依頼を受け、児童相談所のスタッフ養成のための講演を行うなど、国内外を問わず幅広く活躍。また、新聞や雑誌への寄稿を通し、臨床現場の生の声を発信し続ける、いまもっとも注目される若手臨床家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

香菜子(かなこ・Kanako)

35
教室の悪魔 見えない「いじめ」を解決するために。山脇由貴子先生の著書。いじめを見抜けない教師や保護者は教師失格で保護者失格と上から目線で非難することは簡単だけれど、教師や保護者も残酷ないじめがおこなわれていることをそんなに簡単に見抜けないのがいじめ問題の現実。いじめの加害者になることもいじめの被害者になることもないような社会や学校にするのは簡単ではないけれど、いじめ問題を見て見ぬふりするような無責任な教師や保護者を1人でも減らすことが問題解決の第一歩。2019/10/23

ちさと

32
現代のいじめは「地獄」である。本書で紹介されているいじめパターンは間違いなく犯罪レベル。ひと昔前には無かった類の残酷ないじめが増殖しているのは、ネットの普及で大人たちの負の側面を吸収し濃縮し、かつあらゆる情報収集が可能なことも大きな理由なのでしょう。閉鎖的な空間内での他者との唯一の関わりが「死ね」というメッセージ。大人でも、何のために生きているか分からなくなってしまうと思う。自動相談センター心理司さんの被害者を守るための一冊です。2018/10/15

n.urabe

22
図書館本:再読。書き物をしなくちゃいけなかったので、再度読み返し。この本は保護者の目を覚まさせてくれると思う。学校にいかなきゃ死ぬ訳じゃないって事。親御さんは頭に入れといた方がいい。2013/09/10

テンちゃん

20
誰しも認められたい。それを否定された時、人の心に怒りと叩きつぶしてやりたいという悪意が発生する。それを自制できる人と出来ない人に分かれる。そして、いじめは用意周到に行なわれる。メールによる嘘の情報は学生の中では、即効性を持つ。誰が主犯か分からずに、いじめが次から次に行なわれる。現場だけを見ると誰もがいじめの主犯者に見えてくるから怖い。まさに闇の教室。悪魔の教室。どうすればいいのか。中学校の先生が書いた、いじめを考える絵本おおきなあなという本が話題になっている。いじめの連鎖を断ち切る教育が求められている。2015/07/16

Reina

17
「教室の悪魔」のタイトルがこの本にしっくりきた。加害者の残酷で卑劣で陰湿な手口。被害者の、いじめられていることを必死に親から隠そうとする心理。大人がいじめに気付かないことも起こり得ると思った。「いじめの本質は、被害者にしか理解できない」「被害者の『いじめられた事実』と加害者の『いじめた事実』は永遠に一致しない」「いじめは立ち向かうに値するものでもなく、耐えるべきものでもない」「いじめに対して無抵抗であることが最大の防御」でもないと思った。いじめられている子の親は、子供の絶対的な味方であってほしいと思った。2014/03/19

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