内容説明
「どこの国にもあるから、日本にも」なのか?世界9ヵ国の緊急事態法制を批判的に検証する。
目次
序 どこの国にもあるから?
第1編 アメリカ(アメリカの「有事」のいま;アメリカの戦争権限―大統領と議会の分配構造の検討 ほか)
第2編 ドイツ(ドイツの「有事法制」のいま;ヴァイマール憲法48条2項における大統領非常事態権限 ほか)
第3編 諸国(フランスの「有事法制」;イギリスの緊急事態法制 ほか)
第4編 日本(「有事法制」と「国民保護法制」;メディアと「有事法制」―政府とメディアと世論が協働して作り出す「有事体制」 ほか)
著者等紹介
水島朝穂[ミズシマアサホ]
1953年生まれ。早稲田大学法学部教授
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感想・レビュー
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velikiy99
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世界の様々な国において,国家緊急事態・非常事態が国内法でどのように定義され,またどのような対処が規定されているかを,過去実際に運用された例なども踏まえながら解説する内容.紹介されている国々では,緊急事態条項を根拠に,対外戦争が正当化されるのでは,という懸念もさることながら,寧ろ国内の反対勢力を,武力を伴うような不当な形で抑え込む為に利用されるのでは無いか,という懸念も含まれていることが分かる.同時に,有事法制がその当時の時勢に流されて,矛盾を抱えたまま運用されていた例も多いことが伺える.2016/01/03