出版社内容情報
プロイセンの建築家フリードリヒ・シンケルの新古典主義建築と、その核心原理である「テクトニック」が、それぞれ色合いの異なる三つの都市に導入される過程をテーマに、幻影としての西欧的近代性と、その脆さを逆追跡する試み。建築と都市計画は工学的技術である以前に言説であり、政治的テクノロジーでもあることを明らかにする。「記憶と建築が醸し出す不協和音の文化史」(原著副題)。
内容説明
建築と都市計画は技術以前に言説であり、政治的テクノロジーでもある。プロイセンの建築家フリードリヒ・シンケルの新古典主義建築と、その核心原理である「テクトニック」が三つの都市に導入される過程をテーマに、幻影としての西欧的近代性と、その脆さを逆追跡する試み。
目次
プロローグ 「近代」というスライドイメージ
第1部 プロイセン古典主義を求めて(ベルリン、中部ヨーロッパのアテネ;民族と国王のあいだで―プロイセンの宮廷建築家シンケル;テクトニックとプロイセンの国家理念 ほか)
第2部 アジアのプロイセンをこえて(ドイツ歴史主義建築の決定版、青島;明治日本とプロイセン―岩倉使節団の視線;国家的テクトニックとしての帝国憲法 ほか)
第3部 アテナの不気味なスライドイメージ(都市計画と植民地主義;漢城から京城へ;シンケルに捧げるオマージュ?―景福宮前に建てた朝鮮総督府庁舎 ほか)
エピローグ 記憶の場と希望の空間
著者等紹介
全鎭晟[チョンジンソン]
1966年生まれ。高麗大学校(ソウル)文科大学史学科(1989)および同大学院(1991)卒業。1998年、フンボルト大学(ベルリン)博士学位取得。現在、国立釜山教育大学校社会教育科教授
佐藤静香[サトウシズカ]
東北大学大学院経済学研究科博士課程後期単位取得退学。現在、青森大学総合経営学部准教授(社会政策、韓国労働経済)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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