出版社内容情報
江戸城の要害としての役割を失った外濠・神田川の変容を、河岸地ごとの機能、土地所有の形態、水辺空間に対する意識とあわせて追究。近代東京において、江戸城の要害としての役割を失った外濠・神田川は、いかなる変容をとげたか。本書は、四谷御門から牛込御門を経由し水道橋に至る区間を対象に、郭内と郭外、水路としての機能の有無による河岸地ごとの性格と役割の差異、法制度とともに変わる土地所有の形態を明らかにする。また、河岸地に生きた人々を軸に、時代と社会の水辺空間に対する意識の変化も考察する。
はじめに
第1章 東京と外濠──水都へのアプローチ
1 江戸東京の水辺
2 外濠の水辺空間を読む
3 水辺研究の歩み
4 研究方法と本論の構成
第2章 外濠の土手空間──その管理と制度
1 はじめに
2 幕府による管理と土手空間の多様性
3 都市計画のなかの外濠
4 まとめ──近代へ引き継がれた外濠の意味
第3章 近代河岸地の成立と展開I──堀端から河岸地へ〈神楽河岸・市兵衛河岸〉
1 はじめに
2 河岸地の復元とその空間構造
3 河岸地編入以降の展開
4 まとめ──河岸地のフレームと水辺の人々
第4章 近代河岸地の成立と展開II──明治生まれの水辺のまち〈飯田河岸〉
1 はじめに
2 飯田河岸の復元とその形成過程
3 河岸地の発展
4 まとめ──土手に築かれた水辺のまち
第5章 「御郭の土手」の変容──鉄道敷設事業と水辺空間
1 はじめに
2 土手空間と鉄道路線決定の経緯
3 開かれる外濠
4 周辺住民による土手空間の改変
5 まとめ
第6章 外濠とまちI──河岸地拝借人からみた地域の変容
1 はじめに
2 水路に寄り添うまち〈隣接型〉
3 水辺を介して繋がる周辺の地〈近傍・遠隔型〉
4 まとめ
第7章 外濠とまちII──濠の環境からみる山ノ手の土地と人
1 はじめに
2 土地所有の動態と地域の再編
3 水辺のまちの土地利用
4 まとめ
結 章 城郭から水辺へ──地域をかたちづくる都市の水筋
初出一覧
あとがき
高道 昌志[タカミチ マサシ]
著・文・その他
内容説明
江戸城の要害としての役割を終えた外濠は、近代以降いかに変容したか。郭内と郭外、水路としての機能の有無による河岸地ごとの性格と役割の差異、法制度の変遷に伴う土地所有形態の変化を明らかにし、河岸地に生きた人々を軸に、時代と社会の水辺空間に対する意識の変容を追う。
目次
第1章 東京と外濠―水都へのアプローチ
第2章 外濠の土手空間―その管理と制度
第3章 近代河岸地の成立と展開1―堀端から河岸地へ(神楽河岸・市兵衛河岸)
第4章 近代河岸地の成立と展開2―明治生まれの水辺のまち(飯田河岸)
第5章 「御郭の土手」の変容―鉄道敷設事業と水辺空間
第6章 外濠とまち1―河岸地拝借人からみた地域の変容
第7章 外濠とまち2―濠の環境からみる山ノ手の土地と人
結章 城郭から水辺へ―地域をかたちづくる都市の水筋
著者等紹介
高道昌志[タカミチマサシ]
1984年富山県生まれ。2008年法政大学工学部建築学科卒業。2016年法政大学大学院デザイン工学研究科建築工学博士後期課程修了。博士(工学)。法政大学江戸東京研究センター研究補助員、ならびに一般社団法人千代田まちづくりプラットフォーム社員。2012年から地域活動「外濠市民塾」を運営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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