オリエンタリズムとジェンダー―「蝶々夫人」の系譜

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 204p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588672071
  • NDC分類 766.1
  • Cコード C0036

内容説明

西欧における日本女性のイメージはいかにして形成されたか―。ロティの『お菊さん』、ロング、ベラスコ、プッチーニの『蝶々夫人』を、サイードが指摘する「再構成と繰り返し」の過程として読み直し、レーヴェン『バタフライ』における自己相対化の手法、ウォン『M・バタフライ』における異性装のパフォーマンスにジェンダーの本質と模倣の構造を探る。

目次

第1章 ピエール・ロティ『お菊さん』(一八八七/九三)―幻想に裏切られた西洋人がみた日本女性
第2章 ジョン・ルーサー・ロング『蝶々夫人』(一八九八)―現実からイメージへの変換
第3章 デイヴィド・ベラスコ『蝶々夫人』(一九〇〇)―原作小説はどのように書きかえられたか
第4章 ジャコモ・プッチーニ『蝶々夫人』(一九〇四)―西洋の観察者、東洋の死体
第5章 パウル・レーヴェン『バタフライ』(一九九八)―バタフライはなぜ宿命の女ではないのか
第6章 デイヴィド・ヘンリー・ウォン『M・バタフライ』(一九九八)―パロディによる「美しい物語」の解体

著者等紹介

小川さくえ[オガワサクエ]
長崎県に生まれる。大阪市立大学大学院博士課程修了。ドイツ文学専攻。宮崎大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Mikio Katayama

1
とても面白かった。プッチーニの《蝶々夫人》を軸に、《蝶々夫人》の原型となった作品と《蝶々夫人》を原型とする作品を取り上げ、この女性像に投影された西洋のオリエンタリズムとセクシズムのあり方を浮き彫りにする。この系譜の物語の驚くべき根強さ。取り上げられている作品は、この変奏の興味深い実例だ。日本人のわれわれはこの視線にどう対抗していくべきか。2015/10/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/176080
  • ご注意事項