出版社内容情報
恩恵・啓蒙の,防空・防災の空間から,市民のための緑とオープンスペースへ。明治6年太政官布達から平成6年「緑の基本計画」まで,日本近代の都市公園像を追う。
内容説明
公園は都市の「肺臓」であり、市民の「精神の洗濯場」、市街の「空気の転換場」だ、と幸田露伴がその必要を説いてより1世紀、日本近代の都市公園はどう造られ、どう管理・利用されてきたか。1873年の太政官布達公園に始まる日本近代の都市公園は、恩恵ないし啓蒙の場、管理重視の営造物から、時に「迷惑施設」と化しながらも、現代都市に不可欠の「緑とオープンスペース」の公共空間へ、と変遷してきた。それを推進した公園政策の歴史的展開を追究し、協働型社会の市民文化として開花させるための、公園づくりを提言する。
目次
序章 分析視角と課題
第1章 近代的都市公園の誕生と展開
第2章 都市計画公園の「計画性」と「施設化」
第3章 量的拡大政策と公園機能の複合化
第4章 戦後都市公園政策における社会的機能の成立
第5章 緑とオープンスペースにおける管理の社会化
終章 営造物施設から市民文化へ
著者等紹介
申龍徹[シンヨンチョル]
1969年韓国ソウル市生まれ。2002年法政大学大学院社会科学研究科政治学専攻、博士後期課程修了(政治学博士)。現在、(財)地方自治総合研究所特別研究員、法政大学法学部非常勤講師(行政過程論)。研究領域:行政学・地方自治・政策研究・公園行政
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