内容説明
いちはやく多文化主義政策を進めた国で、フィールドワークをつうじて見えてきた矛盾とは?経済的に役に立つ外国人だけを受け入れる風潮が強まるなか、対話と協働をともなう共生の重要性を問う。
目次
序章 岐路に立つ多文化主義
第1章 「統合」と「管理」の論理としての多文化主義
第2章 福祉多文化主義とその「改革」
第3章 ネオリベラル多文化主義とグローバル化する「選別/排除」の論理
第4章 ミドルクラス多文化主義の再構築
第5章 日本の「多文化共生」への介入
終章 グローバル化のなかで「つながりを欲する」ということ
著者等紹介
塩原良和[シオバラヨシカズ]
1973年埼玉県生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(社会学)。慶應義塾大学法学部卒。株式会社三和総合研究所、日本学術振興会特別研究員、同海外特別研究員、東京外国語大学外国語学部准教授等を経て、現在は慶應義塾大学法学部准教授(社会学・社会変動論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ア
1
オーストラリアでのフィールドワークなどから、日本とオーストラリアの多文化主義を考察する。新自由主義の広がりにより、多文化主義が「管理/排除」となり、かつそれを覆い隠しているとする。多文化主義の陥穽と可能性を考える上で示唆に富む。2019/09/10
menocchio
1
多文化主義が政府の公定言説にとりこまれていくなかで、新自由主義的な選別・排除の論理になっていく。それに代わる多文化主義は可能か。日本でも耳に心地よい「多文化共生」が言われるようになってきたが、そこに陥穽はないだろうか。2017/03/06