内容説明
冷戦は、どのような国際秩序の変容をともないつつ、終結にたどり着いたのか。
目次
変容する秩序と冷戦の終焉
第1部 アメリカの戦争と「自由主義的」秩序の変質(安全保障か自由か?―朝鮮戦争がアメリカ的世界秩序に与えた影響;ヴェトナムにおける国家建設の試み―ケネディ戦略はなぜ破綻したか)
第2部 デタントと同盟関係の変容(ヨーロッパの冷戦と「二重の封じ込め」―アイゼンハワー政権下の第二次ベルリン危機;ヴェトナム戦争と英米関係―ウィルソン政権による対米和平外交の成果;一九七〇年代のデタントとイギリス外交―ヒース保守党政権を中心に;米韓合同軍司令部の設置)
第3部 東アジアにおける冷戦と冷戦秩序の変容(アメリカと中国内戦―戦後秩序の崩壊過程一九四六年六月~一九四七年一月;深まる中ソ対立と世界秩序―中ソ同盟崩壊の原因と米中対決;中ソ対立とその米中関係への影響―東アジア冷戦構造の変容;米中和解と日米関係―ニクソン政権の東アジア秩序再編イニシアティブ)
著者等紹介
菅英輝[カンヒデキ]
1942年生まれ。現在、西南女学院大学人文学部教授。専攻はアメリカ外交史、国際関係論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Krupp
1
冷戦下についての論文を全10章の本にまとめたもの。理由はわからないが80年代を分析したものは無い。全体的に、冷戦はトップダウンの特徴を備えていて、4章のヒース政権がアメリカに要求を呑ませたものは別だが、基本的に大国たる米ソが何らかのアクションを取ったことで、西ドイツやイギリス、中国や日本がそれに対応する行動を取る…と思った。フルシチョフのスターリン批判が直ちに中国の離反に繋がったわけではなく、その後の何個かの出来事を経て決別に至ったようだ。またキッシンジャーが中国を潜在的な同盟国としていたことに対し、中国2019/09/04