内容説明
グローバル競争が進むなかで金融の自由化はひとつの潮流となっているが、アジアの諸国もその例外ではない。日本では、1980年代から始まる金融自由化の流れのなかで規制の弊害と緩和を経験しつつ、1997年には国内社債市場が誕生した。アジアの国・地域における社債市場の生い立ちはさまざまだが、現在あるいは将来的にも採れる唯一の政策は規制緩和である。そのために各政府は、社債と銀行借入の選択から社債スプレッドにいたるまで、どのような政策を採用し、いかなる役割を果たす必要があるか。本書はアジア社債市場の育成と発展を、日本の歴史的な経験を踏まえて理論と実証の両面から考察する。
目次
序章 金融自由化と社債市場の発展
第1章 日本企業の負債選択
第2章 流動性プレミアムと社債スプレッド
第3章 社債の流動性プレミアムの測定
第4章 社債の価値と債権者間の協調における大口債権者の役割
第5章 非上場企業における私募債と銀行借入の選択
第6章 社債市場における情報の非対称性と非効率性について
第7章 アジア債券市場の現状
第8章 アジア債券市場の企業金融分析―評価と展望
第9章 東アジア企業の社債による資金調達は拡大しているか―企業財務データからの考察
終章 アジア社債市場の展望
著者等紹介
胥鵬[ショホウ]
法政大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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