出版社内容情報
19世紀末以降のアジア各国・地域のマクロ経済統計を利用しつつ経済史と経済理論を架橋し、国際価値比較をめぐる方法論や経済発展に関する制度的前提を検証する
内容説明
公的機関によって作成された19世紀末から20世紀末にかけてのアジア各国/地域のマクロ経済統計の数々を、膨大な時間と労力をついやして相互に比較可能なかたちで整理・作成しなおした。本書は、これら統計の背後にある社会経済的・思想的な事情を探りつつ、経済史と経済理論を架橋しながら人口統計や経済活動の国際価値比較をめぐる方法論を検討する。さらに、近現代アジアの経済発展にかんする制度的前提や統計の比較検証を通して、“解析的経済史”を構築するための試論を提示する。
目次
序章 解析的比較経済史事始め
第1章 人口転換前の出生力とその上昇―アジアの視点から
第2章 長期統計における国際比較―日本・台湾・朝鮮の購買力平価と実質消費水準、1934‐1936年
第3章 ネルー時代インドの経済思想―その意義と限界
第4章 経済成長の前提条件としての経済構造改革―分析視角と韓国の事例
第5章 中国商品別貿易統計の作成―1952‐1964年および1981‐2000年
第6章 作付シフトによる農業の発展―南アジアの経験分析
第7章 移行期中国における農村工業化の役割
第8章 戦後タイの金融システムの形成と金融深化―集計量による形成過程の観察
第9章 「全部雇用」のメカニズムを探る
第10章 東アジアの経済成長と労働市場―フィリップス曲線をめぐって
終章 経済史時系列の推計を超えて
著者等紹介
尾高煌之助[オダカコウノスケ]
法政大学経済学部教授
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