出版社内容情報
2000年度日本社会学史学会奨励賞受賞 パーソンズとルーマンの社会システム論はなぜ〈自然〉を包摂しえなかったのかを問い,スペンサー社会学に〈自然〉を不可欠の前提とするシステム論の可能性を探る。
内容説明
社会システム論は、なぜ“自然”を包摂し得なかったか―パーソンズとルーマンの理論に、合理性の立場とメカニカルな法則観の問題を抉り、『生物学原理』を根幹としたスペンサー社会学に、“自然”を不可欠の前提とする社会システム論のあるべき体系への重要な示唆を見出す。
目次
第1部 社会システムを取り巻く“自然”(本書の問い)
第2部 社会システム論対“自然”(社会システムという人工物(パーソンズ理論を基軸に;ルーマン理論を基軸に)
認識と科学
社会システムと“自然”概念 ほか)
第3部 スペンサー社会システム論の全容と“自然”の追求(スペンサー社会学の成立背景;スペンサー社会学(生物有機体と社会有機体の同質性への注目;倫理とふるまいの理論的位置づけ)
スペンサー社会学の集大成 ほか)
著者等紹介
挾本佳代[ハサモトカヨ]
1964年生まれ。津田塾大学卒業。新潮社勤務を経て、1994年法政大学大学院修士課程入学。1995年度「人口問題と近代社会」により社会学修士学位取得(法政大学)。1998、99年度日本学術振興会特別研究員。1999年度「社会システム論と自然―スペンサー社会学の現代性」により社会学博士学位取得(法政大学)。2000年4月より法政大学講師。論文:1997年「社会の時間内存在性指標としての人口」『経済社会学会年報』19号、同「スペンサーにおける社会有機体説の社会学的重要性」『社会学評論』48巻2号
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