感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふたば
3
面白かった!ブレヒトの『三文オペラ』の元ネタなので、物語としてはほとんど同じ、だけれど、意図するもの、目的、あらわれる効果が全然違う。曲を聞きながら(http://ml.naxos.jp/album/9.81136-37)読んだから楽しかった。訳注のおかげでいったい何に対する風刺・パロディがなされているのかが分かりやすい。注や解説でうかがえる、『ガリヴァー旅行記』で名高いスウィフトとゲイとの友情にちょっとじーんとしたり。2014/12/09
あかふく
2
18世紀前半にこのタイトルであるということは、訳者あとがきにあるように乞食と俳優が等しいものだと判断されていた(浮浪者ということ)事情を思わせ興味深い。そういったある意味で日常であることを演劇化することの意味はあまり作品内から読み取れなかったが、どうか。開高健が『日本三文オペラ』を書いているが、タイトルにブレヒトの『三文オペラ』を採用しながら明らかにこちらに寄っていることは『ロビンソンの末裔』といいながらスウィフトに寄っていくことと近いのではないか(ゲイはスウィフトと親交があった)。2013/11/12
brzbb
0
図書館で借りて読んだ。追いはぎ稼業の悪党が、親分の娘と監獄吏の娘に手を出して、それがもとであわれ処刑される、と思いきや、それじゃかわいそうだと作者が登場して一転、執行猶予になりハッピーエンド。故買屋でのやりとりや監獄内部の実情を描いた部分は、落語みたいな味がある。犯罪者英雄譚のパロディであり、イタリアオペラのパロディであり、下層階級の人々が上流階級と同じことをすることで、上流階級の腐敗を風刺しているという(解説からのうけうり)。2012/12/24
daruma_kap
0
愉快な感じではある