溝口健二論―映画の美学と政治学

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  • サイズ A5判/ページ数 638p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784588420177
  • NDC分類 778.21
  • Cコード C1074

出版社内容情報

ショット分析、検閲記録・撮影台本の調査、そして映画学の学際的横断が、映画を拡張し続けた溝口健二へ読む人の眼差しを向かわせる。トーキー化と長回しと縦の構図によって時空間を変容し、植民地主義や女性の人権蹂躙など矛盾をはらむ重層性を女性の身体を通して露呈させ、占領下の女性の解放を言祝ぎ、贈与交換に基づく権力関係に立脚した欲望を演出し、映画概念を拡張し続けた溝口健二に対峙して、ショットを分析記述し、検閲記録や撮影台本などの一次資料調査から、映画史、映画理論、メディア論、身体論、ジェンダー論など学際的な横断において映画学が本来有する力を発揮し、溝口健二の映画へとさらに眼差しを向かわせる画期的研究。

第一部 溝口の世界への視座



序 章 複数のはじまり

第一節 幼年時代

第二節 間メディア性

第三節 「映画」とは何か

第四節 日活向島というマトリクス

第五節 編集と長回しの弁証法

第六節 監督、溝口健二

第七節 ナショナリズムとジェンダー

第八節 本書の構成



第一章 世界の中のミゾグチ、溝口の中の世界

第一節 日本趣味映画と「日本的なもの」

第二節 作家主義と世界映画

第三節 政治的モダニズムと日本映画

第四節 歴史映画としての『元禄忠臣蔵』

第五節 異化としての歴史化

第六節 溝口健二の「帝国」の映画



第二部 トーキーの間メディア美学



第二章 革命前夜──溝口健二の『唐人お吉』(一九三〇年)

第一節 はじめに

第二節 溝口健二の「映画言語の進化」

第三節 幕末のモガ──お吉とアメリカニズム

第四節 間メディア装置としての「お吉ブーム」

第五節 パフォーマンスとテクスト、注意散逸



第三章 映画の第四次元──溝口健二の一九三五年

第一節 はじめに──『折鶴お千』の境界性

第二節 一九三五年、日本

第三節 トーキー美学の誕生

第四節 『折鶴お千』、反時代的映画

第五節 音声と奥行き

第六節 前景構図の盛衰



第四章 「風俗」という戦場──内務省の検閲

第一節 はじめに──『浪華悲歌』の場合

第二節 検閲官という仕事

第三節 「検閲内規」の世界──『折鶴お千』を中心に

第四節 『祇園の姉妹』の善導



第三部 溝口の「女性映画」──松竹京都時代



第五章 芸道物考

第一節 はじめに──芸道と逃道

第二節 芸道物の誕生──『鶴八鶴次郎』、ハリウッド、「新しい女性」

第三節 ミッシング・リンクとしての『月夜鴉』

第四節 芸道物としての『残菊物語』

第五節 芸道物のゆくえ



第六章 占領下の女性解放──大衆フェミニスト・プロパガンダとしての溝口映画

第一節 はじめに

第二節 松竹大船女性映画としての『女性の勝利』

第三節 芸術と性愛──『歌麿をめぐる女たち』と『女優須磨子の恋』

第四節 「好色一代女」と『夜の女たち』

第五節 『我が恋は燃えぬ』



第四部 「現代映画」としての溝口作品



第七章 欲望の演出と妊娠の身体

第一節 はじめに──範例的シークェンスとしてのもとの告白

第二節 演出とは何か

第三節 妊娠の身体

1 りくの妊娠

2 時間イメージ──だからわれわれに一つの身体を与えて下さい

3 『西鶴一代女』

4 長回しと墜落

5 溝口映画の身体性



第八章 伝統と近代──溝口健二のポスト占領期

第一節 溝口健二のポスト占領期

第二節 絵巻物モンタージュ

第三節 閉域と性愛

第四節 『赤線地帯』の反時代性



あとがき

参考文献

映画題名索引

人名索引

木下 千花[キノシタ チカ]
1971年東京生まれ。映画学専攻。東京大学大学院総合文化研究科(表象文化論)修士課程修了。シカゴ大学大学院映画メディア学科・東アジア言語文明学科博士課程修了。シカゴ大学で博士号(Ph.D)取得。ウェスタン・オンタリオ大学映画学科助教授、静岡文化芸術大学文化政策学部准教授、首都大学東京大学院人文科学研究科准教授などを経て、現在、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。主な著作に、“Something More Than a Seduction Story: Shiga Akiko’s Abortion Scandal and Late 1930s Japanese Film Culture,” Feminist Media Histories vol. 1 no. 1 (January 2015); “The Edge of Montage: A Case of Modernism/Modanizumu in Japanese Cinema,” in The Oxford Handbook for Japanese Cinema, ed. Daisuke Miyao (New York…

内容説明

トーキー化と長回しと縦の構図によって時空間を変容し、植民地主義や女性の人権蹂躙など矛盾をはらむ重層性を女性の身体を通して露呈させ、占領下の女性の解放を言祝ぎ、贈与交換に基づく権力関係に立脚した欲望を演出し、映画概念を拡張し続けた溝口健二に対峙して、ショットを分析記述し、検閲記録や撮影台本などの一次資料調査から、映画史、映画理論、メディア論、身体論、ジェンダー論など学際的な横断において映画学が本来有する力を発揮し、溝口健二の映画へとさらに眼差しを向かわせる画期的研究。

目次

第1部 溝口の世界への視座(複数のはじまり;世界の中のミゾグチ、溝口の中の世界)
第2部 トーキーの間メディア美学(革命前夜―溝口健二の『唐人お吉』(一九三〇年)
映画の第四次元―溝口健二の一九三五年
「風俗」という戦場―内務省の検閲)
第3部 溝口の「女性映画」―松竹京都時代(芸道物考;占領下の女性解放―大衆フェミニスト・プロパガンダとしての溝口映画)
第4部 「現代映画」としての溝口作品(欲望の演出と妊娠の身体;伝統と近代―溝口健二のポスト占領期)

著者等紹介

木下千花[キノシタチカ]
1971年東京生まれ。映画学専攻。東京大学大学院総合文化研究科(表象文化論)修士課程修了。シカゴ大学大学院映画メディア学科・東アジア言語文明学科博士課程修了。シカゴ大学で博士号(Ph.D)取得。ウェスタン・オンタリオ大学映画学科助教授、静岡文化芸術大学文化政策学部准教授、首都大学東京大学院人文科学研究科准教授などを経て、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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rui_hua_

0
緻密なショット分析、東西を問わない映画理論、検閲や政治的背景といった歴史を巧みに参照しながら、溝口健二の演出の独自性を論じている。溝口のあまり論じられてこなかった作品を論じる際の意義の見つけ方など非常に参考になった。これからも読み返していくだろうな。あと冗談のつもりかわからないが思わず笑ってしまう一文を諸処に見つけることができる。2024/02/11

1998

0
第7章のみ再読。2021/10/22

Arol Color

0
溝口と現代映画のところ2021/07/29

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