出版社内容情報
ピューリタン革命、名誉革命を通じて新興貿易商人が主張した交易の自由は、非国教徒が主張した信教の自由の論理と重なり、アイルランドや西インド諸島まで含めたブリテン帝国の形成に貢献した。パティキュラー・バプテスト派の商人ウィリアム・キッフィンの活動をつうじて、ロックの「労働に基づく所有」論にいたる17世紀イギリス思想の変遷を考察する。
内容説明
交易の自由と信教の自由が促した帝国の拡大。イギリス革命期の新興貿易商人や非国教徒の活動を丹念に追い、ロックの植民地主義容認に至る過程を考察する。
目次
第1章 ロンドン商人社会の動向とピューリタン革命
第2章 ピューリタン革命とアイルランド
第3章 ピューリタン植民地帝国―西インド諸島・プロヴィデンス島会社
第4章 ピューリタン革命と「商船船乗り」層―軍事財政国家の出発点
第5章 クロムウェルと「意図せざる」植民地帝国
第6章 「ゼクテ」原理と「信教の自由」への道―バプテスト派貿易商人W・キッフィンの場合
第7章 「新興貿易商人」ウィリアム・キッフィン
第8章 ウィリアム・キッフィンとジョン・ロック―交友・取引関係の記録が意味するもの
補論 「デヴォンシア・スクエア・バプテスト教会」教会員の社会経済史的分析
著者等紹介
大西晴樹[オオニシハルキ]
1953年北海道生まれ。明治学院大学経済学部教授(西洋経済史、イギリス革命史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。