出版社内容情報
痙攣を伴う病気の快癒という「奇蹟」を信じたキリスト教徒たち。当時の記録.書簡などから信徒たちの肉声を復元し,苛烈な信仰の実態と宗教史的な背景を読み解く。
内容説明
「痙攣派」とは、18世紀フランスで、痙攣を伴った病気の快癒という「奇蹟」を信じ、「助け」と称する苛酷な業に身を投じたキリスト教徒たちを言う。当時の記録や文献を解読して信徒たちの肉声を復元するとともに、複雑な宗派対立の内実および民衆生活史の断面を照射する。
目次
痙攣の業とプチ・テグリーズ
「ファランの痙攣派」関連地名図
第1部 被虐と加虐の舞台(尼僧の残した記録;人はただ罪を犯すだけの存在;痙攣の業とは何か;彷徨)
第2部 ファリニスム(ファリニスム誕生;狂信者たちの選挙闘争;逮捕と理由なき拘留延長;二つの「その後」;ブリジット・ジョカベの説教、鳩の愛;夫と妻の往復書簡)