内容説明
活版印刷の発明から宗教改革をへて、近代ヨーロッパ世界が形成される過程で、異端思想を取り締まる禁書目録のシステムはどのように作られ、機能し、消滅したのか。現代イタリアの近世史・出版史研究の第一人者が、教権から王権へと統制主体の移行していく時代を背景に、各国の書物発禁や検閲の内情、人々の抵抗の実態をたどり、やがて出版の自由が実現されるまでの知られざる歴史を解き明かす。
目次
出版規制(検閲の起源;教会と国家の狭間で ほか)
文化追放(禁書目録;講読禁止 ほか)
検閲の限界(クレメンス目録後;異端審問と抑圧 ほか)
絶対主義と検閲(国家検閲の優勢;非合法市場 ほか)
エピローグ
著者等紹介
インフェリーゼ,マリオ[インフェリーゼ,マリオ] [Infelise,Mario]
1952年生。ミラノ大学とヴェネツィア大学で教鞭を執り、近世史や印刷・出版史の正教授および大学院の史学研究科長を務める。ヨーロッパ近世における出版生産と流通の統制問題に長く関心をもつ
湯上良[ユガミリョウ]
東京外国語大学トルコ語専攻を卒業、(株)NEC勤務の後、2002年よりヴェネツィア大学に入学、2005年度イタリア政府奨学金留学生、学士号・修士号取得後、2015年にヴェネツィア共和国の税制と情報管理に関する博士論文で史学博士号を取得した。現在、人間文化研究機構国文学研究資料館の特任助教として基幹研究プロジェクト「バチカン図書館所蔵マリオ・マレガ収集文書調査研究・保存・活用」に従事している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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