内容説明
ヘーゲル学派の高名な哲学者・文化史家であるローゼンクランツ(1805‐79)が、1860年にドイツで行った講演の初の邦訳。江戸末期までの日本の歴史・自然・文化を、当時西洋人が入手できた稀少な文献を用いて概観し、東洋の発達した“閉鎖商業国家”が(世界史)の舞台に登場してくる歴史的瞬間を記録したテキスト。若き森鴎外が評価して以後、長らく忘れられてきた出色の日本論。
目次
日本の登場
日本事情
日本の概観
日本の生物
日本の宗教
日本の歴史
日本の身分制度
日本の文化
日本の司法
日本の風俗
日本の建築
日本の産業
日本人の社交
日本の外交
日本の課題
著者等紹介
ローゼンクランツ,カール[ローゼンクランツ,カール] [Rosenkranz,Karl]
1805‐1879年。ヘーゲル学派に属するドイツの哲学者。マグデブルクで生まれ、ベルリン大学、ハレ大学、ハイデルベルク大学で神学と哲学を学ぶ。1828年にハレ大学で教授資格を取得し、31年にハレ大学の准教授、33年にケーニヒスベルク大学の教授となり、きわめて広汎な著作活動を展開して、文化と学問の発展に貢献した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yurari
3
外国人の目から見た日本の姿。興味深い視点がいくつもあった。特に良かったのは、江戸幕府の監察役である徒目付(かちめつき)の平山謙二郎が語った幕府への信頼。「二つの国が通商関係を結んでいるときには、権利と義務という二つの点をきっちりと決めていなければなりません。そしてあらゆる場面を想定して、兵士を鍛えて戦争のルールをみずから定めておく必要があります。平和が長く続くと、大事なことがなおざりにされて、そこから国家の崩壊が始まっていくものですが、ありがたいことに私たちの国ではそうではありません。〜以下略2015/12/25