出版社内容情報
近世の養生論の時代から現代まで、人々の保健医療行動の流れを、売薬購入と受診という行為を切口に、上層農民の日記を通して跡づけ…近世の養生論の時代から健康の自己管理責任が叫ばれる現代まで、人々の保健医療行動の流れを、売薬購入と受診という行為を切口に跡づける。近世以来の売薬は、近代の医事・薬事行政のなかにどう位置づけられたのか。近世における売薬医者と薬店との競合、近現代における調剤権をめぐる医師と薬剤師の確執はいかなる展開を遂げたのか。近世・近現代の上層農民の日記を通して、その具体相に迫る。
はじめに
第?部 近世の薬屋・医者・病家
第一章 高まる薬の需要 売込みをはかる薬屋
第二章 健康の自己管理社会における病家の心得
第三章 医生教育と医者の心得
第四章 服薬と自然治癒論の間で
第?部 近世の日記にみる医療行動
第一章 相模国三浦郡大田和村の『浜浅葉日記』
第二章 治病・防疫を祈願する人びと
第?部 幕末・明治期の日記にみる医療行動
第一章 武蔵国橘樹郡長尾村の『鈴木藤助日記』
第二章 湯治に込められた思い
第?部 近現代医療の展開と売薬
第一章 売薬に向けられた眼差し
第二章 「調剤兼帯の医師」と調剤権の行方
あとがき
索 引 巻末
新村 拓[シンムラ タク]
著・文・その他
内容説明
近世の養生論の時代からセルフ・メディケーションが叫ばれる現代まで、人びとの保健医療行動の流れを、売薬購入と受診という行為を切口に、上層農民の日記を通して跡づけつつ、売薬医者と薬店、医師と薬剤師の競合・確執の具体相に迫る。
目次
第1部 近世の薬屋・医者・病家(高まる薬の需要 売込みをはかる薬屋;健康の自己管理社会における病家の心得 ほか)
第2部 近世の日記にみる医療行動(相模国三浦郡大田和村の『浜浅葉日記』;治病・防疫を祈願する人びと)
第3部 幕末・明治期の日記にみる医療行動(武蔵国橘樹郡長尾村の『鈴木藤助日記』;湯治に込められた思い)
第4部 近現代医療の展開と売薬(売薬に向けられた眼差し;「調剤兼帯の医師」と調剤権の行方)
著者等紹介
新村拓[シンムラタク]
1946年静岡県生。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士(早大)。京都府立医科大学教授、北里大学教授・副学長を経て、北里大学名誉教授。専攻、日本医療社会史。著書に、『古代医療官人制の研究』(1983年)、『日本医療社会史の研究』(85年)、『死と病と看護の社会史』(89年)、『老いと看取りの社会史』(91年)―以上の4書にてサントリー学芸賞を受賞(92年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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