出版社内容情報
1476年,印刷術の曙の時代にドイツで出版された標題作の本邦初訳と,煉獄や悪魔の概念,ユダの位置づけなど,宗教改革前夜の民衆思想を論じた解説を収録する。
内容説明
宗教改革前夜における中世民衆の思想と文化を往時の『ベストセラー』の中に読み取る。
目次
アイルランドの章(遙かな遠い国;聖パトリック、そしてシャムロックの花;キリスト教の伝播;実在の聖ブランダン ほか)
異界(ユダ;聖パトリックの煉獄;煉獄;悪魔;善き男 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
刳森伸一
6
再読。古代アイルランド発祥のイムラヴァ(航海譚)の流れの中においてみると、教化と娯楽性の共存に重きを置いたオリジナリティー溢れる写本(の翻訳)だということや、その独自性と面白さがよく分かる。やはり体系的な読書も必要だと思い知らされた次第。個人的には濫読が好きなんだけど。2017/09/28
刳森伸一
0
60ページ程度の本篇とその倍もある丁寧な解説。聖ブランダン航海譚だけでなく、中世の社会史の本としても読めるお得な本です。2012/08/12
ユーディット
0
中世のベストセラーというわだけでわくわくします。名前は有名だが、読めて非常に嬉しい。2010/11/06