出版社内容情報
「歩き筋」業者による中世的な鉄産業の伝統と,安政4年大島高任が建設した洋式溶鉱炉の実態を考究,東北の近代化と僻地化に及ぼした鉄産業の意義を明らかにする。
内容説明
北上山系における鉄産業の盛衰。古代の産金以来、長い鉱産の歴史を持つ東北、中世以降の「金屋」=歩き筋業者が定着して築いた伝統の上に、安政4年大島高任が建設した洋式熔鉱炉は、わが国近代製鉄への転換を告げた。近代化の鍵を握った鉄産業の実態とその意義を分析、東北経済史・村落史の動的側面を照し出す。
目次
陸奥鉄産業の研究(陸奥鉄産業の研究;陸奥鉄加工工業の研究;陸奥鉄産業の社会経済的意義;近世山法(鉱山法)の研究
南部藩橋野熔鉱炉建設の経済史的意義)
近代鉄産業の成立―釜石製鉄所前史(鉄産業の歴史的発展;鉄山経営と鉱山村落の諸問題;洋式高炉による鉄生産の展開;洋式高炉の経営と鋳銭工業;明治初期における洋式高炉)