出版社内容情報
大化前代より平安初期に至る北陸〈越中〉の国造制・国郡制をはじめ税制と土地所有制の実態,諸氏族の伝承と動向,神済・礪波関・伝馬制の変遷と意義等々を追究する。
内容説明
大化前代より平安初期に至る北陸〈越中〉の政治史的・社会史的研究。国造制・国郡制をはじめ、調綿や土地所有の実態、三尾君・利波臣・江沼臣・射水臣等在地諸氏族の動向と伝承、さらに神済・砺波関・伝馬制の変遷と意義を追究する。あわせて、大伴家持の越中在任状況と“越中歌壇”の実体にメスを入れた、独自の「越中万葉史論」を付す。
目次
第1編 政治と社会(北陸地域の国造について;越国守阿倍引田臣比羅夫考;越中国をめぐる2、3の問題―律令国郡制との関係を中心として;越中国の調綿;東大寺領「越中庄園」をめぐって;平安初期における北陸在地の政治的情勢)
第2編 氏族と伝承(越中の建部・蝮部について;三尾君氏に関する一考察;利波臣氏の系図と伝承;江沼臣氏と道君氏―『欽明紀』31年条所伝の再検討;射水臣氏に関する一試考)
第3編 古代北陸道(神済考;神済をめぐる史的環境;古代礪波関考;古代北陸道の伝馬制)
付編 越中万葉史論(『万葉集』と越中在地との断層;大伴家持の酒宴;大伴家持と大伴池主;国師・講師考;越中国歌の「大野」について;「夜夫奈美能佐刀」考)