内容説明
世界各地に広がる白鳥処女説話を博捜し、その源流を求めてシベリアの白鳥族を訪ねた著者は、古代以来の人々が抱いた“鳥への想い”を明らかにしつつ、白鳥の渡りとの関連から、さまざまな文化が輻輳し拡大してゆく経緯を描き出す。
目次
鳥への想い
第1部 白鳥をめぐる文化史(白鳥処女説話の啓示;衣と白鳥;産土白鳥;白鳥の文化;白鳥の歌;天使と飛天)
第2部 シベリアの白鳥族(白鳥の故郷シベリア;アラルスキー・ホンゴドル;海への憧れ;水(海)辺の婚姻
白鳥族)
第3部 白鳥の渡り(各地への渡来;インドの白鳥;中国の衣)
白鳥に求めた人の規範
著者等紹介
赤羽正春[アカバマサハル]
1952年長野県に生まれる。明治大学卒業、明治学院大学大学院修了。文学博士(新潟大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
2
羽衣伝説とおつうとかぐや姫の話はケルト社会にある世界的分布するお話。2017/11/11
東京燦然
0
白鳥と聞いて知らない日本人はいないが、実際に野生の白鳥を見たことがある日本人は、一部の雪国の人だけであろう。なぜ、そこまで野生の白鳥を見る機会がないのに、我々にとって馴染みが深いのか。 本書では白鳥という軸を基に、衣服、布(麻や絹など)、各地の伝説をまとめている。こうして見ると、白鳥が神話の時代から我々に馴染みが深い鳥であったことがわかる。寒い北国から渡ってきて、雪国でつがいを育む美しい鳥に、多くの人々が思いを馳せてきたことが、本書を読むことで分かる。2022/01/05