出版社内容情報
近代捕鯨の登場により鯨資源の激減を招き,捕鯨の規制.管理のための国際条約締結に至る経緯をたどり,グローバルな課題としての自然環境問題を浮き彫りにする。
内容説明
世界の海を股にかける現代捕鯨の登場によって鯨資源の激減を招き、捕鯨の規制・管理のための国際条約締結に至る経緯を辿り、グローバルな課題としての自然環境問題を浮彫にするとともに、地域による捕鯨文化の差異を近代史の中にさぐる。
目次
第6章 ヤンキー・ホエールメン(メイフラワー号から見た鯨;捕鯨の聖地・ナンタケット;「捕鯨難民」の時代;太平洋捕鯨の幕開け;海を漂う搾油工場 ほか)
第7章 現代捕鯨の生と死(現代捕鯨とはどんな捕鯨か;世界的な捕鯨不況のなかで;鯨組から現代捕鯨へ;南氷洋―最後で最大のフロンティア;国家戦略としての捕鯨―ナチス・ドイツと日本 ほか)
著者等紹介
山下渉登[ヤマシタショウト]
1951年、岡山県生まれ。金沢大学法文学部卒業。編集者を経て、捕鯨史研究や小説の執筆活動に専念。著書に長編小説『青の暦 一九七〇』(北冬舎、泉鏡花記念金沢市民文学賞受賞)など
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感想・レビュー
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サメ社会学者Ricky
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シーシェパードと戦うために読み出した捕鯨関連本第二弾。世界史・日本史と密接に関わり、倫理など微塵も考慮されず利害関係のままに「枯渇」に追い込まれた鯨と人間の歴史は壮絶だった。鯨は賢いから殺してはならないという頭が可哀想としか言えない主張や、シーシェパード、そして捕鯨を守り復活させようとする日本すら、結局乱獲時代と同じく利害でしか動いていないとすれば、私が案ずる環境問題の根源に人類が辿り着いて行動を起こすなど、夢のまた夢でしかない。話は逸れるが、この「ものと人間の文化史」シリーズは実に素晴らしい。2014/06/08