出版社内容情報
鍬と犂の交代・進化の歩みとして発達したわが国農耕文化の発展経過を世界史的視野において再検討しつつ,無名の農具たちによる驚くべき創意のかずかずを記録する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
里のフクロウ
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飯沼二郎著作を手に入るものをとりあえず図書館から借りた中の一冊であった。あまり興味が湧く表題ではなかったが、前2冊を読んで農具に対してちょっとした視点ができた。農業は風土に応じた形で発展する。日本の温暖湿潤気候は中耕除草農業、労働力の集約農業を伝統として形成してきた。そこでは農業の機械化よりも道具に力点が置かれるというものだ。時代を通して除草のために深耕反転を追求して耕してきている。そして近代化は、休耕農業の新大陸農業の機械化をむやみに模倣するのではなく、伝統を踏まえてなされるべしを教訓として納得した。2014/03/04