出版社内容情報
日本人の精神史に深く根をおろした松の伝承に光を当て,食用,薬用等の実用の松,祭祀.観賞用の松,さらに文学・芸能・美術に表現された松のシンボリズムを説く。
感想・レビュー
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kenitirokikuti
10
図書館にて。著者は植物学や民俗学のひとではなく、芸能・文筆のひと、という感じ。刊行は昭和50年で、道路建設や近代建築による林野の消滅、大気汚染による松の枯死などが説かれている。そういや、80年代後期の六甲山の松が赤枯れした記憶があるなぁ。いま住んでいる東葛北部では、あんまり松は見ないかな…おっと、いまバスの窓から丘の上にある市役所の松の木が見えた。かつて鉄道線路の枕木には腐りづらい松が使われてた。かすかに記憶ある▲白砂青松という江戸時代な風景も、都会から離れないともう見られない。2023/04/12