内容説明
「心霊現象の心理と病理」は、ユングが精神科医としての一歩を踏み出した原点を示す最初の論文で、夢遊症と霊媒現象とを示す一少女の病歴を詳細に記述し、無意識の心理学の観点から分析を行なった症例報告。併載の「潜在記憶」は、当時の演劇評論家ヤコブソンが盗作の疑いをかけられた事件に関連して潜在記憶の現象を語ったもので、第一論文中、半夢遊症の状態における精神能力の異常な増進を説明するために用いた概念「潜在記憶」をより明確に解き明かす。
目次
心霊現象の心理と病理(緒言;遺伝負因のある女性夢遊症患者の例―心霊現象の霊媒)
潜在記憶
著者等紹介
ユング,カール・グスタフ[ユング,カールグスタフ][Jung,Carl Gustav]
1875‐1961、スイスのケスヴィル生まれの心理学者。精神科医。バーゼル大学、チューリヒ大学で医学(精神医学)を学ぶ。1907年頃にウィーンでフロイトと出会い、その共同研究者として活動、国際精神分析学会会長(1911‐14)となる。のちバーゼル大学およびチューリヒ大学の教授をつとめた。1913年頃フロイトと決別し、フロイトの精神分析的方法とは異なる無意識・深層心理重視の独自の分析心理学(ユング心理学)を確立させた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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