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出版社内容情報
謎への応答がさらなる謎を引き起こすような解釈の経験を論じ、差延の概念を練り上げていった前期デリダの思想的展開を分析する。
内容説明
弁証法から脱構築へ、デリダ思想の展開を論じる新たな視座。五〇年代から七〇年代前半におけるデリダの思想展開を検討することで、「戦争」という概念が主題化されていった過程を明らかにする。
目次
第1部 現象学、弁証法、存在論(時間と自我―初期デリダの「時間性の存在論」について;理念の歴史―カヴァイエスのフッサール批判に対するデリダの応答について;失敗、誤謬、誤解―デリダのフッサール「歴史の目的論」解釈)
第2部 弁証法から差延へ(弁証法の行方―デリダのアルトー論における「再現前化」と「悲劇」;彷徨、争い、差異―デリダのハイデガー解釈;差延の思考―デリダにおける「遊戯」と「解読」について)
著者等紹介
松田智裕[マツダトモヒロ]
1986年生。2019年3月に立命館大学文学研究科で博士号(文学)を取得。現在、立命館大学文学部初任研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんだもずく
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パフォーマティブな(チャラい)哲学者としてのデリダではなく、コンスタティブで誠実な哲学研究者としてのデリダ。最初期のフッサール研究においてピカール、タオ、カヴァイエスといった同時代の現象学者のフッサール読解・批判への応答の中で深化されていった「弁証法」概念(第一部)が、形を変えつつも一貫した問題系のもとでその後の差延の思想へと展開していく(第二部)様が明晰に描き出されていて非常に良著。二部のアルトー論についての章が特に面白かった2021/06/03
instead
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ピカール、カヴァイエス、タオ、アクセロスといった同時代のフランスの哲学者との関係を検討しながら、フッサールとハイデガーに限りなく忠実な読解を通して差延の思想を練り上げていくデリダの歩みが丁寧かつ明晰に辿り直される。2020/04/10