内容説明
最晩年のフッサールが「原自我」という概念で呼んだ問題事象は、従来の現象学解釈にいかなる本質的変更を迫るのか?フッサールの膨大なテキストに徹底して寄り添い、その生涯にわたる思索と方法の展開をつぶさに跡づけながら、いまだ明確に提示されたことなき「原自我」論の根源性を初めて体系的に記述する、気鋭の画期作。
目次
序論
第1部 「原自我」論への準備的省察―自明性・明証・視る者への問い(「自明性」の学としての現象学;「非‐自我論的」還元と明証への還帰―「視」の深まりについて;現象学的主題としての「自我」の発見)
第2部 「原自我」論の体系的解釈の試み(「主観性の逆説」から「原自我」の問いへ;原自我とエポケーの徹底化―問題の批判的限定;原自我と志向的変様―唯一性と等置;原自我の必当然的明証―「近さ」と「差異」としての自己)
著者等紹介
田口茂[タグチシゲル]
1967年生。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了、同研究科博士後期課程にて単位取得後、1998年よりDAAD奨学生としてドイツ・ヴッパータール大学に留学、2003年同大学にて哲学博士号(Dr.phil.)取得。早稲田大学、慶應義塾大学非常勤講師を経て、2005年より山形大学地域教育文化学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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